【カヤック】と【カナディアン】?
パドリング・スタイルは2種類
カヌーという舟(艇)を動かすための道具である櫂(かい/パドル)には2つのタイプがある。
艇の両側を漕ぐことを目的とした櫂(シャフトの両側に水を捕まえるところ/ブレードがある)を【ダブルブレード・パドル】 という。
艇の片側を主に漕ぐことを目的とした櫂(シャフトの片側のみに水を捕まえるところ/ブレードがある)を【シングルブレード・パドル】という。
そしてダブルブレードのパドルを使って漕ぐことを想定とした艇を " KAYAK "「カヤック」と呼び、シングルブレードを使って漕ぐことを想定とした艇を、日本では「カナディアン・カヌー」と呼ぶ事が多いが、英語的には" CANOE "「カヌー」と呼ばれる。
日本では「カヌー」と言えばカヤックも含めた全体の呼称に使われることが多いが、最近はカヤック&カヌーのように使い分けられる場合も多くなってきた。
【カヤック】のほとんどは、船体の上部が覆われているクローズド・デッキタイプ。
【カナディアン・カヌー】は、オープン・デッキタイプが普及しているので、このタイプを"OPEN CANOE"「オープンカヌー」と呼ぶ事が多い。
さらに、静水用、川用、海用などフィールドに応じて、また活動目的(スラローム、ワイルドウォーター、スプリント、フリースタイル、マラソン、サーフィン、ボールゲームであるカヌー・ポロ、等)や移動道具(ネイチャー・ウォチィング、フィッシング、等)として、艇の形や性能が違っている。
この他、【組み立て式タイプ】:フォールディング・カヤック/カヌーまたはファルトボート、【ゴムボート・タイプ】:インフレータブル・カヤック/カヌーまたはダッキー等がある。
このように「カヌー」と一言で言っても、実に多くのタイプの艇がある。これはカヌー遊びというものが、多種多様化している現れであろう。そしてこれらの共通点は、艇の形は違えどもいずれも「パドル」というものを使って漕ぐことである。だから総称に「パドル・スポーツ」とか「パドリング」、それをやっている人達を「パドラー」などと呼ぶことも多くなった。
KAYAK
⇒広く普及している一般的なリバーカヤック
⇒フリースタイルもこなすオールラウンドタイプ
⇒フリースタイル専用艇で川下りには向かない艇も多い
⇒急峻で落差のある流れを下る事を目的としている
⇒緩やかな流れ、湖、沿岸部等でショートツーリング
⇒海岸線沿い等をツーリング。運動性の高い艇も多い
⇒長期遠征を目的としたビッグ・ボリューム艇
⇒安定性の高いお手軽な水辺遊びパドリング
⇒デッキのないタイプで、静水等でのツーリング
⇒川下り等を目的としたデッキのないタイプ
CANOE
⇒広く普及している、緩やかな流れや静水用タイプ
⇒川下り用オープンカヌーとして最も一般的なタイプ
⇒リバーカヤックと同等の性能を持つ
*WW---ホワイトウォーターの略:リバータイプの艇にこの呼称を使う事も多い